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物価高が不動産市況へ与える影響

 

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昨年度よりも建築費や住宅取得費が増加し、借入額や自己資金も増加

この調査は、三大都市圏と地方都市圏において、2023年度中に住団連の住宅メーカーと契約した人が対象で、調査票は各社の営業担当者が記入している。

まず、注文住宅を建てた人の平均像を見ていこう。

世帯主年齢の平均は40.2歳(対昨年度0.4歳低)で、平均世帯人数は3.01人(対昨年度0.06人減)、平均世帯年収は1148万円(対昨年度80万円増)。

ここ数年は、世帯人数が減り続け、世帯年収が増え続ける傾向が見られる。

次に、建てた注文住宅の平均像を見ていこう。

  • 建築費は4566万円(対昨年度342万円増)
  • 建築費の1m2単価は37.0万円(対昨年度2.8万円増)
  • 土地代を含む住宅取得費は6681万円(対昨年度311万円増)
  • 延べ床面積は123.5m2(対昨年度0.1m2減)
  • 自己資金は2047万円(対昨年度132万円増)
  • 借入額は5859万円(対昨年度386万円増)※借入のある世帯のみ
  • 借入金の年収倍率5.10倍(対昨年度0.02ポイント減)

※土地の取得方法は、従前の敷地(建て替え)26.7%、新たに購入(50.8%)などがある。

ちなみに、「住宅の階数」は「2階建て」が81.3%と主流だが、「平屋建て」が13.7%(対昨年度2.4ポイント増)と、増加傾向にある。

 

建築費・住宅取得費の上昇に対して、最も多い対応は「住宅面積の縮小」

さて、平均値を昨年度と比べてみると、建築費や住宅取得費の上昇が著しい。それに応じるように、借入額や自己資金が増えている。

なお、世帯年収が増加しているので、借入額の年収倍率は大きくは上がっていない。

こうした「住宅取得に関する物価高や資材高の影響」をどう感じていたのだろう?「資金計画にかなり圧迫感があった」が65.1%と最も高く、「資金計画に少し圧迫感があった」の17.3%を加えた、82.4%が資金計画に圧迫感を感じていたことが分かった。

それに対する対応については、最多が「住宅面積を縮小した」(50.2%)で、順に「希望する住宅のグレードを下げた。採用をあきらめた」(42.3%)、「住宅の基本性能の向上をあきらめた」(21.2%)、「家具や家電製品の購入を控えた」(15.7%)となった。

住宅取得に係る物価高や資材高の影響に対する対応(出典:住団連「2023年度戸建注文住宅の顧客実態調査結果の要約及び考察」より転載)

延べ床面積の平均値は対昨年度で0.1平方メートルしか縮小していないが、借入額を増やすだけにとどまらず、面積を小さくしたり、グレードを下げたりして建築費を抑えるといった動きもかなりあったことが分かる。

 

住環境の重視項目に変化の兆し。約6割がZEHを検討

次に、住宅について重視した点を見ていこう。
「住宅購入を検討する上で特に重視した点」では、「住宅の間取り」(62.4%)、「地震時の住宅の安全性」(50.0%)、「住宅の広さ」(37.6%)、「住宅の断熱性や気密性」(34.9%)が上位に挙がったが、傾向は昨年度と同様だ。

一方、「新たに土地を購入(借地も含む)した人が住環境の面で特に重視した点」では、「通勤、通学などの利便」(35.8%)や「敷地の広さや日当たりなど空間のゆとり」(31.7%)などが上位に挙がった。

ただし、これらは年々重視度が下がっている。逆に、年々上がっている項目を見ると、「治安・犯罪が発生しにくい環境」(24.8%)、「災害時の避難のしやすさ」(22.4%)など。

日当たりや利便性といった以前から重視されていた項目の重視度が薄れ、治安や災害時の避難など、犯罪の凶悪化や災害の甚大化を踏まえた項目が以前より重視されるようになってきたことがうかがえる。

 

注文住宅を建築する際に上記を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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