森ビル株式会社は29日、東京都港区の「麻布台ヒルズ」で2棟目となる住居棟「レジデンスB」(総戸数970戸)が竣工したと発表した。これに合わせて、地下鉄2駅を結ぶ歩行者ネットワークや敷地を東西に貫く道路の整備も完了し、「麻布台ヒルズ」全体が完成を迎えた。
「麻布台ヒルズ」は、1989年から進められてきた「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」(区域面積8.1ha)の一環。2023年11月には、オフィス・住宅・商業施設が入る複合ビル「森JPタワー」や「レジデンスA」、アマンブランドのホテル・レジデンス、ギャラリーやミュージアムなどが先行開業。その後、フードマーケットなどの施設が順次オープンし、今回すべての施設が出そろった。
今回完成した「レジデンスB」は、鉄筋コンクリート造・地上64階建て、高さ270m、延床面積約18万5,300平方メートル。2~5階はワークプレイス「S-Office」として約4,500平方メートルを整備し、9~32坪の64区画の小規模オフィスや入居者専用ラウンジを設けた。6階以上は住宅フロアで、ワンルームから4ベッドルームまでの多様な住戸に加え、ラウンジ、スタディルーム、シアタールーム、ジムなどの共用施設を備える。13~18階には短期滞在者向けのサービスアパートメントを配置し、2階と地下1階には計7店舗の商業施設を新設した。
また、「レジデンスB」の完成により、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅と南北線「六本木一丁目」駅を結ぶ地下通路「セントラルウォーク」が全通。全長約700mのうち、今回新たに100mが開業した。通路は24時間開放され、災害時には帰宅困難者の受け入れスペースとしても利用可能で、「麻布台ヒルズ」全体では約6,000平方メートル、約3,600人を受け入れられる体制となる。
さらに、敷地東側の桜田通りと西側の麻布通りを結ぶ自動車道路「八幡通り」も開通。全長約500mのうち、今回170mが供用開始となった。これにより、東西方向の交通網と歩行者ネットワークが強化され、エリア全体の回遊性とアクセス性が大きく向上する見込みだ。
今回の全体完成により、「麻布台ヒルズ」は延床面積約86万1,700平方メートル、オフィス面積約21万4,500平方メートル、住戸数1,400戸を擁し、「六本木ヒルズ」に匹敵する規模の新たな街区となった。
